「3min映画祭」入選者インタビュー 第三弾
昨年 12/16(日)に開催されました首都圏映画サークル連合主催「3min 映画祭」では、沢山 のご応募、ご来場をしていただき、誠にありがとうございました!
今回は前前回から引き続き「3min 映画祭」の入選者インタビュー第三弾(今回が全3回の最後!)を公開させていただきます。
記事の作成に協力していただいた入選者、関係者様、
本当にありがとうございました!
第三弾では
第3位 『とってもおいしいケーキの食べ方』/石丸峰仁監督/大東文化大学映画研究会
第2位 『無重力』/鈴江誉志監督/駒澤大学シネマプロデュース研究会
第1位 『Unite or Divide』/助川虎之介監督/東京大学映画制作スピカ1895
の御三方のインタビューを掲載させていただきます。
《石丸峰仁監督インタビュー》
【『とってもおいしいケーキの食べ方』の
劇中シーン】
1.「今回の作品のテーマを一言で表すなら?」
観ている人の感じたことがこの映画のテーマだと思います。少なくとも僕はそういう発想で映画を撮ろうと思ってやっています。質問の答えにはなってないかもしれませんが、押し付けるのもよくないと思うんでこんな形で。
2.「3分以内という募集条件を見た時、又は作品製作時にどう捉えましたか?」
最初に頭に浮かんだのはカップラーメンですね。他の皆さんもそうかもしれませんけど。
まあ、とりあえず難しく考えないようにしようかなって。
3.「他の学生監督さんの作品制作のヒントになるよう、製作時に使用した主な撮影機材を教えてもらえたりしないでしょうか?(カメラ、レンズ等)
カメラはGH5です。まだまだ使いこなせていないので、もっとうまく使えるようにしたいですね。
4.「いきなりですが、本作は今回の映画祭においてまさにダークホース的存在だったと思います。強烈でした(笑)。正直スマホの小さな画面で事前に鑑賞させてもらった時にはイマイチピンときませんでしたが、いざプロジェクターで投影されたものを観るとインパクトがエグくて、暗いところでみんなが同じ画面を見るという鑑賞スタイルが如何に非日常の体験なのか改めて気づかされました。にしても主演の方はよくオーケーしてくれましたよね(笑)。依頼する時・作品完成後とかお互いどんな反応だったのでしょうか?」
感想ありがとうございます。自分も編集しているときは、一体何が面白いんだろうと思いながらやっていました。ウケたのは想定外でしたよ。ギャップもあったのかな。とにかく、笑ってもらえてよかったです。
主演には、この映画の内容を全く知らせず「映画に出てください。撮影は文化祭期間中の夜にやります」とだけ伝えていたんです。当日に内容を説明して、かなり引かれましたね。撮影中も唖然としている感じでした。ただ、「作品作りに協力できるなら」と、かなり際どいところまでやってくれて。感謝ですね。
5.「音を意識したアクションや圧迫感のあるカメラ位置、生活感のある小道具によって演出されるドロドロとした雰囲気・密着感が凄まじかったですが、台詞がなかったことで次に何をしでかすか分からない緊張感もヤバかったです。緊張感に耐えられず思わず笑い声を漏らしてしまいました(笑)。でもやっぱりどうしても撮影後のケーキの処理や、切り取られた女の子の選定基準といったどうでもいいことが気になっちゃいます笑」
ケーキはスタッフで美味しくいただきました(笑)めちゃくちゃ甘くて、もう…思い出したくない(笑)
実は、はちみつかけるシーンはリテイクとかで、何本も撮っているんですよね。リテイクは映像を見ていた俺が笑っちゃったせいなんですけど。その時の助監督の焦りといったらもうね。「先輩……」って呟いて、それから10秒くらいみんな沈黙しました。みんな、どうしたら良いかわからなくなってて。それから助監督に「どうやってリテイクするんですか!」って言われて、跳ね上がるように、必死にはちみつを拭き取りました(笑)
まず雑誌の選定を30分くらいかな、助監督と僕でおこなって。大学近くの深夜のコンビニで、「エロすぎる」「タイプじゃない」「この表情、最高」とか、それで30分。不審者でしかない(笑)
その後、具体的な女の人の選定は主演の人と相談しながら行いました。だからまあ、主演の性癖は多分に出ているでしょうね。あからさまに、それこそヌードの方が良かったという人もいるかもしれないんですけど、個人的にはこのバランスで良かったと思います。
6.「Q&A方式だけじゃ伝えきれない部分が多いと思います。ここはどうぞ好きなように言いたいことを言ってください!!」
上映会で流れるまでは入選はおろか、下から数えたほうが早いだろうとか思っていたので、正直この結果には驚きました。自分の内と外とが遠ざかってしまった気がしてちょっと気持ち悪さがあるのが正直なところですね。でもまあ、評価していただいたことを真摯に受け止めて、また、選んでくださった皆さんに感謝したいです。
7.「最後に今後の学生映画界に対してどんな展望・希望を抱いているかお願いします」
正直、学生映画の世界の広さとか可能性を僕自身認識できていないので、今後、というのもよくわからないんですけど…。今回、10本の一年生作品があって、二瓶君の映画はもちろん、どれも僕は撮れないなあと思いました。ほんと、優れていました。それは僕にとってまぎれもない事実です。
逆に成果とか、評価とか、それこそ技術とか知識とか、そんなものを一度頭から抜いて物を作ることも大事だと思います。上手くなくっていいんですよ。皆さんにはひたすら、がむしゃらにやりたいことをやって貰いたいです。叩かれてもいいじゃないですか。叩かれて、叩かれて、それでも誰かに見せて、私の作品です、と胸を張れたなら、そこに込めた想いは誰にも否定できない本物のはず。そういう映画を、監督を、個人的には見てみたい。
まあ、とりあえず僕の3位をさっさと奪ってください笑
【第3位選出時の石丸峰仁監督】
インタビューの協力ありがとうございました!
続いて第2位に選ばれました、鈴江誉志監督のインタビューです。
《鈴江誉志監督インタビュー》
【『無重力』の劇中シーン】
1.「今回の作品のテーマを一言で表すなら?」
「行き場がなくてもいいと思う。」
2.「3分以内という募集条件を見た時、又は作品製作時にどう捉えましたか?」
僕は今回、この企画の発案者だったので、、、
企画の裏側みたいなことを話そうかなと思います。(趣旨と大ズレでごめんなさい)
実はこの企画、元となった企画があって、以前、成城大学映画研究部の城野一哉さんと一緒に「砧(きぬた)映画祭り」というものに出演させていただきました。
それはカメラのPRイベントの一環として、ご提供いただいたカメラで3分前後のショートフィルムを作ろうという企画だったのですが、3分の中でも様々な映像表現があることに気づいて、それがすごく面白いイベントで。
「3分で映画を作るって面白いな」ということからこの企画が始まりました。
3.「他の学生監督さんの作品制作のヒントになるよう、製作時に使用した主な撮影機材を教えてもらえたりしないでしょうか?(カメラ、レンズ等)
カメラ:Panasonic Lumix GH4、スマホ(Xperia Z5)
レンズ:14mm f2.5
マイク: RODE 超小型コンデンサーマイク
編集ソフト:Adobe premiere pro CC 2018
その他:手持ちの照明1個
4.「9月に開催されたCinema Terminal Gate 004 Final に上がった前作『インスタントカメラ』に渋谷というロケーションやMVのような作風という点で一見似てはいるものの、今回では新たにテクスト・台詞が登場し、それらが全編に渡って流れる淡い伴奏と絶妙にマッチしている等もあって、また違う情感が伝わりました。浮遊感というか、埋没感というか、、名状し難いですね。ご自身でこの二つの作品を改めて振り返ってみるといかがでしょうか?」
『インスタントカメラ』が人との向き合い方について、自分の中で整理をつけるために作った作品なら、
『無重力』は、自分との向き合い方について、自分の中で整理をつけるために作った作品だと思います。
『インスタントカメラ』と連動しているといったら少し違うのですが、
今回の『無重力』は、『インスタントカメラ』が色んな映画祭やイベントで上映されることについて、僕がどう思っていたか、どんなことを思って過ごしていたかについて描いた作品です。
目まぐるしく変わる日々の中で、かけられる言葉だったり、向けられる視線だったり、求められるイメージだったり。そういうものに背を向けてしまいたくなることが度々あって。
「自分は今どこにいるのだろう?」「誰がちゃんと自分のことを見てくれているのだろう?」そういうことを何回も考えてしまって。
そんな自分の中にある思いを、まずは言葉にしてみようと思って。
それを作品にすることでそれがまず自分の救いになって、もしそれが似た思いを抱えた誰かの救いになるのなら、作品にしてみようと思って今回の作品を作りました。
なので『インスタントカメラ』があるから作れた作品だと思っています。
5.「上映後に「映画と呼べるかどうか」という懸念を話されていました。これはなかなか難しい話ですよね。しかしながら「夜空と交差する森の映画祭」での作品上映経験や横長のアスペクト比へのこだわりから、鈴江監督は映画ならではの【上映】という行為、ないしは儀式を軽視しているどころか、寧ろ、非常に重視している人物なのではと個人的に思いました。そもそもそうじゃなきゃ悩むなんてことしないですよね。「どんな映像が映画だろうか」難し過ぎる問いではありますが是非聞いてみたいです」
「鈴江くんの作品は映画じゃない」「鈴江くんの作品は映画っぽくない」
そういう言葉を何度もかけられてきましたし、その度に「映画って何だろう?」と考えますが、僕の中でも正直よくわかりません。
ただ、「この作品は映画っぽいなぁ」「この作品はMVっぽいなぁ」、そういうことは漠然とわかるので、映像的なことのみを言うのであれば、感覚の問題なんだと思います。
言葉やなにかロジックに当てはめて語れるほど簡単なものではないと思っています。
ただこの1年、映画祭を通じて特に感じたことというか、考えさせられたことというか。
映画はやはり大きなスクリーンで、多くの人の前で見るものだと思います。
当たり前のことですが、それってすごく忘れてしまいがちなことで、それを意識して作るべきものだと思います。
小さなモニターで見るのと、大きなスクリーンで見るのとでは、全然印象が違いますし、上映場所の空気感や、お客さんの雰囲気。見ている場所や、流れる時間だったり。
そういう、映像以外のものも相乗的な力になりうるのが映画で、それは映画にしかない力なんじゃないかなと思います。
それらが上手くいっているものが、多分映画なんだと思います。
それらが上手くいけば、きっとDVDや、ネット配信サービスなど、二次的媒体で見たとしても「映画」と呼べる説得力があるのだと思います。
ただ、『無重力』を見た方はわかると思いますが、今回全く映画にするつもりがありませんでした。
それはきっと、今作のテーマのひとつである「求められる自分からの反抗」からだと思います。
なのでこれは映画だと思って作っていません。
6.「Q&A方式だけじゃ伝えきれない部分が多いと思います。ここはどうぞ好きなように言いたいことを言ってください!!」
この先映像制作をする上で、きっと一生忘れないだろうなと思った出来事を書きたいと思います。
『インスタントカメラ』の上映が一通り終わって、今は作品をYouTubeで公開しています。
それはこの1年、色々な露出をさせていただく中で公開を望む声があったというのと、
今後もたくさんの人に作品が届き続けてほしいという想いからです。
学生映画にしてはありがたいことにたくさんの反応をいただいて、
非常にありがたいなぁと思って時々見ていたのですが、中には当然批判もあって。
作品の好き嫌いなら仕方ないし、それは全く気にならないのですが、
一度、批判の範疇を超えてるんじゃないかなと思う言葉を見つけてしまったことがありまして。
その内容については触れませんし、当然書いた相手が悪いわけでもなく見つけた自分が悪いのであり、その言葉自体に落ち込んだわけではありませんが、
僕は自分のことをなんでもない普通の学生だと思っていた分、
「なぜそういうことを言うんだろう?」と、とてもショックでした。
その言葉はこの先、作品名と僕の本名と共に、たとえ僕が映像を撮るのを辞めたとしても一生ネットに残り続けます。
その一件が引き金となり、他にも色々あるのですが、僕は映像を作ることがとても怖くなりました。
しかし、時が経った今、決して悪い出来事には消化されていませんし、この活動をする上で気づかせてくれたことも沢山あったのでそれには感謝しています。
『インスタントカメラ』
https://www.youtube.com/watch?v=UruKC43fuSo
映画『インスタントカメラ』/Filmarks
https://filmarks.com/movies/80786
7.「最後に今後の学生映画界に対してどんな展望・希望を抱いているかお願いします」
この1年、ありがたいことに色々な方のおかげで映画祭やイベントに出演させていただく機会が増えて、色んな方に作品を知っていただいて。
だからこそ偉そうに聞こえそうで、言葉にするのが少し嫌なのですが、こんな機会なので書きたいと思います。
気を悪くする人がいたらごめんなさい。調子に乗っているわけではないことを重々ご承知ください。
映画祭以外の注目のされ方がされると良いなと思います。学生映画界全体的にどこか「映画祭に入らないと評価とは言えない」とか、「映画祭に入らないと監督にはなれない」みたいな風潮がありますが、それは違います。
この1年、色々な映画祭やイベントに出演させていただく中で思ったことは、人との繋がりこそが1番大事だということです。映画を通じてどんな人と出会えるかがとても大事です。
映画祭入選は強みにはなりますが、その先に何かあるわけではありません。たとえ賞をもらったとしても、それで夢が叶うほど甘い世界ではないです。
本当に人脈の世界で成り立っている業界だなと日々思います。それは決して悪い意味ではなくて、作品から得た信頼同士で成り立っている世界だということです。
誰が誰と繋がっているかわかりません。思いがけないことがどこかへ連れてってくれることもありますし、それは連合にも言えることです。
だからこそ、既存の映画祭にこだわらず、たとえば外部の方を招いて作品を作ってみるとか、自分たちで上映イベントを企画してみるとか、そこから出来たコミュニティを広げていこうとするとか、もしそういう流れがあるならそこに自分を売り込んでみるとか、そういうムーブメントがもっと広がっていってもいいのかなと思います。今の時代に即した発信方法がきっとあると思います。そういう小さなことの積み重ねが、思いがけない大きなものへ繋がっていると思っています。自分自身に力がなくても、そこまでできれば後は周りがなんとかしてくれたりもします。
映画祭に関しては、選ばなければなにかしらには通ります。10本出して1本通ったらラッキー、それぐらいが相場みたいです。だから落ちても気にする必要はありません。相性が悪かっただけです。何に出したか覚えてないくらい出し続けることが大事です。出すか出さないかの違いなだけで、連合の作品は外部で勝負できる力が既にあると僕は思っています。『インスタントカメラ』が評価されることに疑問を抱く人も多いですが、それは数撃ったうちのいくつかが通っただけの話で、全然凄くないです。
ただ、一つ思うことは、夢や目標が叶うことが、必ずしも幸せではないということです。
これは前述の内容とは異なりますが、得るもの以上に失うものが多いです。
失うものの量があまりにも多すぎて、心が壊れてしまうことも増えますし、それはきっと誰にも理解されないことです。
でもそういう時、きっと映画を通して出会った人がそばにいてくれます。
理解はしてくれなくても、きっと力にはなってくれます。
普段見過ごしてしまうけれど、きちんと得ているものもあります。
だからこそ、映画で出会えた人との繋がりを大切にしてほしいなという気持ちが強いですし、僕はこれからもその人達のために作品作りで恩返しをしていきたいなと思っています。
かなり長文になってしまいましたが、読んでくださってありがとうございました。
そして、数ある作品の中から僕の作品を選んで投票してくださったみなさま、
本当にありがとうございました。
【第2位入選時の鈴江誉志監督】
インタビューの協力ありがとうございました!
続いてグランプリに選ばれました、助川虎之介監督のインタビューです
《助川虎之介監督インタビュー》
【『Unite or Divide』の劇中シーン】
1.「今回の作品のテーマを一言で表すなら?」
愛と絆、これに尽きます。
2.「3分以内という募集条件を見た時、又は作品製作時にどう捉えましたか?」
3分映画祭を知る前から出来上がっていた脚本だったので、3分映画祭を知った時にはこんなただのギャグ脚本には長すぎるかもと思いました。
3.「他の学生監督さんの作品制作のヒントになるよう、製作時に使用した主な撮影機材を教えてもらえたりしないでしょうか?(カメラ、レンズ等)
カメラはGH5とGX7MK2、レンズはオリンパスの12-40mmとルミックス20mm単焦点です。
4.「3分という短い時間の中でも何度も笑いが起きていましたね!裸ギャグは特にハマっていましたが、ただのおふざけとして片付けるにはあまりにウェルメイドで侮れない作品だったと思います。膨大な情報を氾濫させたまま展開させて、アイデアの感興を優先させるベクトルはゴダールに近いものがあったと思います。この発想の源泉というのは何処にあるのでしょうか?あと監督自身が一番気に入っているアイデアとはなんでしょうか?」
あの裸ギャグは実は現場で即興に作ったものでした。ほかにも「何勝手に牛乳Divideしてんだ、コノヤロウ」などは現場の雰囲気から生まれたので、撮影班には脚本にあった笑いの要素を、より高次元なギャグへ昇華してもらったと考えています。きっとゴダールの撮影班も僕の班に負けず劣らずの面白いメンバー揃いなんでしょう。
一番を決めるのは難しいです!
が、強いて言うなら「逆だったかもしんねぇ」だと思います。ナルトを知っている一部の人にしかウケないギャグを最後に持ってくるのは躊躇われましたが、撮り進めるにつれてそのセリフが頭から離れなくなってしまって採用しました。実際上映会ではかなり笑いを取れたので、岸本斉史先生に感謝です。
5.「15分くらいの作品(?)を他の方に編集を任せて再構成してもらったのが本作品だと話されていましたよね。編集という行為次第で作品はいくらでも化けることができると思います。元の15分バージョンと本作を見比べてみるとどんな相違点・発見があったでしょうか?また他の方に編集を任せた意図・経緯も伺いたいです」
やはりテンポ感が全く違いました。長いバージョンは一つ一つのギャグの間が詰まっておらず、次のギャグに到達する前に笑いが引いてしまう部分がありました。撮影現場を知っているとその空気を思い出し、間が長くても笑えるのですが、現場にいない編集者に任せることによって、客観的に笑いのテンポ感を作り出すことができたと考えています。
6.「Q&A方式だけじゃ伝えきれない部分が多いと思います。ここはどうぞ好きなように言いたいことを言ってください!!」
当時どうしてグランプリをいただけたのか不思議に思い、本当にその資格があるのかをずっと考えていました。3分映画祭で上映された作品は、画作りが美し過ぎて見惚れるようなものから編集の格好良さに衝撃を受けたもの、静かな物語展開に心を打たれた作品など、例を上げればきりがありませんが、どれもこれも素敵で、自分の作品がそれらを撮った監督の皆さんの前で共に上映されただけで光栄に感じられました。現に、監督として初めて完成した映画でもあり、映画として観れば他の作品と比べてかなり拙い作品であったと思います。
このように『ユナディバ』よりも良い作品が沢山あってその中でグランプリに選ばれたことは、決して他の映画より優れていたからではなく、単純に上映会に出席した皆さんを笑いの渦に巻き込めたから、映画的云々は抜きにして「これは面白い!」と多くの人に思ってもらえたからだという結論に至りました。面白い作品を作れたこと、グランプリを頂けたことは本当に嬉しいことですが、映画としてはまだまだ未熟です。今回の皆さんの作品や頂いた意見を糧にして、次の映画作りに励んでいきたいと思います。観てくださった方、ありがとうございました。
7.「最後に今後の学生映画界に対してどんな展望・希望を抱いているかお願いします」
僕はもともと超お金をかけて、CG技術を駆使したハリウッド系のドカーンとした映画が大好きで、学生映画の良さが分かってきたのも最近です。そのため学生映画界の展望だとか希望だとか大きなことを言う立場には無いのですが、そんな僕が思ったことを言います。
世の中には昔の僕みたいに学生映画なんて大したことないって思ってる人がごまんといて、その存在すら気にしてない人もたくさんいると思います。映画の内容は観てもらわなければ相手に届くことはないけれど、僕ら学生が映画を作り続け、学生映画界を盛り上げ続けたなら、学生映画界というものがあるということだけは何らかの形で人に知ってもらうことができて、そしてその勢いで観てもらうことも叶えば、意外と面白いじゃんと思ってもらえたり、やっぱりダメかと思われたとしても、より多くの人へ作品を届けることが可能になると考えています。だから、もっともっと沢山作っていって欲しいです。映画作るのってただただ楽しいですし。
【グランプリ入選時の助川虎之介監督】
インタビューの協力ありがとうございました!
御三方、改めまして本当に本当におめでとうございました!!
【映画祭終了後の全体集合写真】
全三回に渡った3min映画祭 入選者インタビュー記事もこれにて擱筆させていただきます。皆様の作り手心に少しでも響くものがあれば、この記事に携われたものとして大変光栄です。
次回の連合主催の大きなイベントは、いよいよ待ちに待った『Cinema Terminal Gate5』です。「連合主催」といっても主体は連合に加盟している団体に所属している作り手の皆さんだと考えて私達は運営しております。Cinema Terminalはコンペティション形式を含むものですし、今回の記事を書いておいてなんですが、映画作りにおいて賞を頂くことが最も名誉あることではないのではないでしょうか。
映画に限らず、芸術・娯楽というものは「作って観てもらう」というシンプルな構造にこそ真価があると僕は思います。「映画作り」というのは作り手が世界を再構築する営みであり、「映画を観る」ことで作り手と観客の独りよがりな世界観が一時的に融合し(作り手が基本一人ではないことも相まって)、より真の世界に近づくことができる、なんて考えると一人一人が世界作りという大きな仕事に貢献しているようで素敵に思えませんか。
「私たちはお互いに話し合い、お互いに耳を傾け、お互いの世界を理解する必要があります。映画はそれを助ける最良の手段のひとつです」というアメリカの巨匠マーティン・スコセッシの言葉があります。僕は学生映画というどんなに小さな規模の映画であっても、この手段の1つであったら良いなと考えてます。3min映画祭の会場では少なからずこれが達成されていたと個人的に感じたのですが、いかがだったでしょうか。
こういう意味においてCinema Terminal の運営は規模が小さいといえど、学生による審査・意見交換、出品作品のyoutube 公開などを行う本映画祭は他の映画祭に比べて価値のあるイベントになり得る可能性を秘めているのではと思います。担当者の主張が強めのインタビュー(笑)でしたが、この度の映画祭がその足がかりとなってこれまで以上の盛り上がりとなることを期待すると同時に、皆さまの更なるご活躍を祈念して最後とさせていただきます。
今後とも首都圏映画サークル連合をよろしくお願いいたします!
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