【交代挨拶】『変わる時、変わらないこと。』/新代表 鈴江誉志
ご存知の方も、はじめましての方も、こんにちは。この度、首都圏映画サークル連合の代表を務めることになりました、駒澤大学シネマプロデュース研究会3年の鈴江誉志(すずえ たかゆき)と申します。いつも首都圏映画サークル連合への、たくさんのご支援、ご協力、誠にありがとうございます。今日までこうして活動をすることができているのは、日頃、学生映画を愛してくださっている全てのみなさまのおかげだと思っています。本当にありがとうございます。
僕個人の話が先になってしまうことをどうかお許しください。僕が連合に積極的に携わるようになったのはここ1年半のことです。それまで存在は知っていましたが、「学生団体」自体に良いイメージを持っていなくて、人と人との繋がりにとても面倒臭さを感じていました。そんな連合になぜ、自分が積極的に携わるようになったか?それは自分のためです。
僕は昔から映像に携わる仕事をしたいと思っていました。けれど、専門学生でもない、映像系の学部に入っているでもない自分にとってそれは、とても難しいことだと思っていました。就活までの限られた時間の中で、どうすれば結果を残せるのか?どうすれば前に進めるのか?自分の団体の活動に限界を感じ始めていた中で、そのヒントが欲しくて最初はこの連合に来ました。とても邪な理由だと思います。
映像は好きだけど、知識はない。かといってそれを努力で埋めるでもない。そんな自分がここにいていいのか。居心地は悪くないのか?話についていけないんじゃないのか?はじめは少し躊躇していた部分もありましたが、全員が作り手である以上、どこかに必ずシンパシーがあって、どこかに必ず分かり合えるものがあることに気付きました。気づけば委員に入っていて、学生映画を好きになっている自分がいて、自分の好きな作品がより陽の目を浴びるためにはどうすればいいのか?すごく考えている自分がいました。それと同時に、それまで出会うことが出来なかった、同じ志を持つ人と一緒に前に進めること、初めて自分に仲間が出来たこと、初めて夢を笑わないでいてくれる人に出会えたことに心から喜びを感じていました。
委員会に入っていくつか気づいたことがあります。委員会はいわゆる意識高い系の学生団体ではありません。この活動が就職に有利になるわけでもないと思いますし、代表になった今、なにか権限や特権があるかと言われれば特にありません。じゃあなぜこの活動を続けているのか?それはただ学生映画が好きだからだと思います。こうした活動をしていくことが自分のプラスだと感じられて、それを愛しく思えるからなのだと思います。
団体の性質はその年によって本当に変わるものだと思います。やりたいことはあるけれど、様々な事情がそれを阻んでしまって、それは人間関係だったり、不可抗力だったり、様々だと思いますが…。作品と関係ない部分で、自分の作品を正当に評価してもらえないことがあったり、サークルであるが故、それをどうにもできず、もどかしい思いをしてきた方もきっと少なくないと思います。
連合という場は「自己」ではありますが、ある種「他者」として距離感を保ちつつ、それを継続的に評価してもらえる場は、この団体にしかないものだと思っています。適切な表現ではないかもしれませんが、「逃げ場」として、この連合を活用していただけたら非常に幸いに思います。それは決して逃げではないと思います。
映画は人と人を繋ぐものだと思っています。映画を作ることは一人でも出来るかもしれませんが、観てもらわなければ「映画」になりません。映画は人の目に触れてはじめて完成するものだと思っています。映画が映画として成長するためには、どうしても人に観てもらう作業が必要です。
発足5年目を迎えた今、連合は転換期に来ていると思います。立ち上げ時のメンバーの方がご卒業されたり、代表が東京大学の学生でなくなったり、自分の意志で加入したわけではない、そんな方も多いと思います。そもそもどういった理念で設立された団体なのか、知らない方が大半だと思います。
首都圏映画サークル連合は現在、「学生映画を、一歩前に。」を掲げ活動しています。ですが、こうして性質が変わりゆく中で、そもそも「一歩前に」とはなにか?もしかしたらもう誰も望んでいないことかもしれないし、連合のコミュニティだけで満足できる、そういう段階にもう来てしまっているのかもしれません。
この命題を目標に活動すべきなのか?それとも「今の連合」に沿う形で運営をすべきなのか?正解は分かりませんし、きっとないものだと思います。ですが、僕達委員会の仕事というのは、きっとみなさまの意見の中から方向性を見出すことだと思います。連合の方向性を決めるのは委員会ではありません。連合に所属しているみなさまだと思います。だからみなさまの意見が必要です。作り手のための活動をしたい僕達にとって、みなさまの声はすごくありがたいものです。批判的意見でもとてもありがたいのです。そんな僕達にとって一番悲しいことは、そういう声すら届かなくなって自然に人が離れてしまうことです。今後この連合が発展していき、ようやく陽の目を浴びられるその時に、それまで素敵な作品を作ってきた方々が離れてしまっていることはとても悲しいことなのです。
「連合のみなさま」という言葉を多用してきましたが、連合というのは現役の学生の方だけではないと思っています。これまで素敵な作品を作り続けてきた卒業生の方々も含んでいると思っています。卒業生の方が増えた近頃、「老害だから申し訳ない」、「老害だから言いづらいけど」そういった声をよく耳にします。もちろんネタで言っている方も多いと思いますし、本気で言っているわけではないと思います。ですが、僕は芸術に関して、老も害もないと思っています。今まで同じ学生映画を作ってきた方たちに、これからも変わらず学生映画を愛してほしいと思っています。社会人になって、たとえ映像制作をやめてしまったとしても、「あの作品は良いね」「あれのあそこはダメだよ」、これからも茶々を入れてほしいのです。そういう団体の発展の仕方ができるのはきっとこの団体にしかないものだと思っています。卒業生の方が来てくださることがとても嬉しいです。なので、これからも変わらず学生映画を愛してほしいなと思っています。
そしてこれはひとつ今後の課題なのですが、中々連合の活動に足を運べない、そんな方にも作品を見ていただけるよう努めたいと思っています。せっかく素敵な作品がたくさんある団体なので、もっと世の中の人に見て欲しい、届けていきたいと思っています。そういった点では発信方法について今後考えていかないといけないと思います。足を運んでくださる方だけが連合ではないと思っています。まだまだ課題ばかりです。
自分も同じ作り手として、これからも作り手のみなさまのサポートを全力で尽くしたいと思っていますし、出来ることもあれば、出来ないことも中にはたくさんあると思いますが、こういった活動が大きくなっていく中で、もっともっと、みなさんの作品が陽の目を浴びられたらなと思っていますし、「連合に携わって良かったな」「映画を作っていて良かったな」と少しでも思っていただけるように。映画が映画として成長していけるように、この活動を通して、精一杯努めていきたいと思っています。
2019年、発足5年目を迎え、今後どう展開をしてくのか?まだまだ未知数ですが、今後もどうか首都圏映画サークル連合をよろしくお願いいたします。
そして、大変長い文になってしまいましたが、最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。今後も一緒に学生映画を盛り上げていきましょう!
鈴江誉志
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